コーヒー器具の違い
よくおすすめの抽出器具について聞かれるが、実際に各抽出器具の特徴や、出来上がるコーヒーの風味が分かっていたら、選びやすいのでは?と思ったことがある。
ということで、代表的なものを紹介。
コーヒープレス
コーヒープレス(フレンチプレス)という抽出器具では粗挽きの豆を使い、お湯を必要な分量注ぎ、4分間浸すことで抽出する。
プレス式はコーヒー豆の持っている風味全てを抽出できることから、コーヒーの勉強会では必ず最初にこのプレス式コーヒーを使って風味の確認をしていた。
また、挽き具合さえ合っていれば、他の技術が不要なので、初心者向けでもある抽出器具。
パーツのお手入れが簡単にできる点も利点。
エスプレッソマシン
エスプレッソマシンでは超極細挽きの豆を、蒸気を使い短時間(20〜30秒前後)で抽出する。そもそもエスプレッソマシンを購入する人は余程のこだわりのある方。
マシンで全自動タイプであれば、抽出に技術は不要。
カフェの店員さんのようにタンピング(コーヒー豆の粉をマシンにセットする前に余分な空気を抜く作業)をするタイプはこのタンピングの圧のかけ方、気温や湿度に大きく影響を受けるため、使いこなすまでに時間がかかる。
アレンジコーヒーを楽しみたい方におススメ。
ハンドドリップなどのドリップ式
最も多い抽出方法のハンドドリップやコーヒーメーカー等のドリップ式は、中細挽きの豆をペーパーフィルターやメッシュフィルターを使い、お湯と接する時間を調節しながら抽出する。ハンドドリップが難しい、と言われるのは、この「お湯と接する時間を調節」するところが安定するかどうかで味わいが変わるため、と言ってもいい。
コーヒーの抽出は緑茶や紅茶のように、1度目にお湯に接する時間でほぼ味が決まるため、ハンドドリップの際は、蒸らしのためのお湯を注いだ後、しっかりとお湯に接する時間を保つことができるようにゆっくりと、必要量に近づけて注ぐことが鍵となる。ただし、ドリッパーから溢れないように注意も必要。
ドリッパーを選ぶ時にも、このコーヒー豆とお湯の化学反応を意識して選んでもらうと、好みの味のコーヒーを自宅で再現しやすくなる。
一つ穴のドリッパーか、三つ穴か、だけでなく、最近はペーパーフィルター不要のステンレスメッシュフィルターや、ゴールドフィルターなども入手しやすくなっている。
このようなペーパーレスドリッパーは、紙独特の臭いを避けたい人におススメ。
化学反応、と聞いてお察しの方もいるはず。
ゴールドフィルターを使用すると、ステンレスフィルターとは全く違う味わいが得られる。
金の持つ性質により、コーヒー豆にある雑味を取り除き、クリアな味わいのコーヒーが楽しめる。
ドリッパーの価格としてはかなり高めなので、アジア豆の雑味が好きな方には向いていないものの、逆にアジア豆をクリアに味わいたい方におススメ。
いずれの抽出器具にもそれぞれの特徴を理解して選べば、自分に合った最高の一杯が自宅で作れるようになる。
このような視点で抽出器具を選んでみてはいかがでしょうか。
投稿者プロフィール
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某大手コーヒーチェーンにて、9年間バリスタを経験。
コーヒーセミナーをはじめ、アルバイト教育も実施。コーヒーと言えばエチオピアというほど、エチオピアコーヒーを愛してやまないコーヒー愛飲家。
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